"お出かけ大好きママ" の子育て日記

よだれづわり(唾液づわり)

time 2013/09/02

 

「つわり、精神不安定、体のダルさ、胃の圧迫、陣痛」そして「禁酒、禁煙、体重制限」

 

妊娠出産に伴って起こる辛い事とは、こんな感じだろうか。

サラを生むまでに、なんとまぁ色んな苦痛を乗り越えてきたものだ。

その中で、他を差し置いて何よりもダントツに辛かったのが、『よだれづわり』だ。

 

この『よだれづわり』、一般的にはあまり知られておらず、私も自分が患って初めて知った。

症状を簡単に説明すると、”よだれが出る”ってだけで、

産婦人科の先生ですら「気にしすぎなんじゃない?大したことないよ」

と相手にしてくれない微妙な存在なのだ。

 

もっとも、出るといってもその量が生半可ではないので、実は”大したこと”なのだが

どんどん何処からともなくツバが沸いてきて口いっぱいに。

ちょうど木の実をほっぺたに貯めたリスの様な形相となり、1分に一回はぺっと吐き出す羽目となる。

口に満杯というと実は結構な量で、数字にすると30mlくらいあるだろうか。

「口にたまってペッと出す」これを毎分繰り返すのだから、

ツバを生産するために生きている気分になってくる。

 

体験したことがない人は、口をそろえて「飲みこめばいい」という。

しかし、現実は飲み込めるような代物ではない。

口の中で泡の状態と化し、それはビールの泡を想像してもらうと少し似ている。

ビールの泡だけを24時間飲み続ける。これが果たしてできるだろうか?

しかも妊娠中なので、オエッっとえずくこともプラスαだ。

夫にそう訴え八つ当たりをしてみたけれど、

「でもツバでしょ?」という心の声が見え隠れし、こちらの気分も悪いので相談するのはやめた。

周りに理解してもらえず、一人孤独に戦わなければならない。

これが『よだれづわり』の最大に辛いことかもしれない。

 

さて、ツバでことさら困ったのは会社でどう過ごすか。

仕事上の用件を言おうとしても、ツバで口がいっぱいになってしまい、会話も電話もままならない。

同僚の前で吐き出すわけにもいかず、本当に困り果てた。

 

結局は苦肉の策で乗り切ったのだが、よくやったと我ながら勲章モノだった。

まず、必須携帯品として空ペットボトルに布カバーをつけて持ち歩き、

飲む振りをして中につばを流し入れる。

カバーをつければ中が何なのか判らないし、

まさか口に入れるでなく口から出しているとは、誰も想定していないハズ。

というか、気づかれないように上手くやるのだ。

飲むフりとは言え、頻度が多すぎてさすがに不自然なので、並行して”のどが渇く妊婦”の演技もする。

さらにマスクを着用して、リスのようなほっぺたを隠す。

これで、少々口の脇からモレても大丈夫だ。

 

しかし、ペットボトル持込が許されないシチュエーションも、会社という場には多々あった。

そんな時は、大き目のハンドタオルを携帯し、気分がすぐれないフリをしながら、口を隠してツバを排出する。

しばらくすると(割とすぐに)タオルのキャパオーバーとなるので、

「お手洗いよろしいですか?」とその場を離れ、新しいタオルと交換。

電話も同じ手法を使って、ハンドタオルを口に当てて、ツバを出しつつ応対した。

 

”リスほっぺ”状態のときに誰かに話かけられるとかなり困るので、

いつ誰に呼び出されるかヒヤヒヤ。

次にどんな行動が起こるのかを予測し、その際のつば対策を常にシミュレーションしていた。

毎日毎日ツバのことばかりを考え、精神が壊れそうだった。

 

ここまで鬱憤を晴らすがごとく一気に書いたが、文章にしてみると汚い!

けれど、思い出しても全然笑えない狂気的な日常だった。

 

つわりの最中、何とかならないものかと何度も何度も何度もググりまくった。

しかし結局のところ有効な対策は見つからず、医者も相手にしてくれず、臨月まで症状は続いた。

といっても妊娠8ヶ月くらいからは症状が軽くなったが。

 

妊娠3ヶ月頃から正味半年もの間付き合った。長い長い時間だった。

二度と経験したくない嫌な嫌な記憶。

これを思い出す時は、二人目は産めないなと心は固まる。

 


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“お出かけ大好きママ” のプロフィール

産前からお出かけ大好き。娘2人をつれてちょくちょく外出しています。 ビンボー共働きだけど、節約しながら明るく元気なワーキングマザーを目指し、育児奮闘の日々を綴ります。 ●生年月日● 1980年8月17日 ●居住地● 埼玉県蕨市・・・日本一人口密度の高い市に住んでます ●趣味● 旅行。国内海外問わず。ピアノも弾けます ●自己紹介● 2013年に第一子を出産し、子育て奮闘中