2014/01/20
生まれた。
生まれた直後オギャーと泣き声が鳴り響いたが、期待していた様な感動を味わう余裕はなく
「あ、生まれたんだ」と、他人事のような拍子抜けた気持ちを抱いた。
ただ苦痛から開放された脱力感が物凄く、同時にからだが休養を求めていて、
達成感を味わう元気もなかった。
苦しみから解放されたものの、
さっきまでの激動から180度変わった自分の身体に、感覚がついていかず、
「赤ちゃんと記念撮影しますよ」と助産師さんが言ってくれていたのに、私の頭はボーっとしていて、
「ふにゃふにゃだから怖いし、後でゆっくり抱っこさせてもらうから結構」などと考えていた。
事実そのときの私の写真は、魂の抜けたような血の通っていない顔で、
”笑顔いっぱいの家族3人初写真”にはならず本当に残念。
その後、夫は一旦分娩室を退出させられ、私のほうは後処理のため残った。
ところで娘の生まれた日は満月でお産ラッシュだったよう。
私が分娩台で休んでいる間、隣で一人、手術室で一人出産の様子がうかがえた。
看護師さんがバタバタばといったりきたりしていて、私は分娩台にしばらく放置・・・
他の妊婦さんが優先なので仕方がないので構わないのだけど、
冷静になるとその体勢がさすがに情けなくなり、すいませーん。って人をよんだ。
ようやく看護師さんがやってきて、蒸しタオルで身体を拭いてくれた。
すごく気持ちよくて、やっと大仕事を終えた感を味わえた。
骨盤ベルトを巻いて、点滴をとって、寝たままお茶を飲ませてくれ、
ようやく自分を取り戻せたような気分になった。
そして、洗って服を着た我が子を隣に寝かせてくれた。
指でちいさな手をツンツンしたら、ギューと握り返してくれ、
「手が私に似ているなぁ」なんて思いながら、この時ようやく産んだ喜びがじんわり沸いてきた。
ここにパパがいないことが残念で、助産師さんが病院内をさがしたり、携帯に電話をかけてくれたりしたんだけど、行方不明。
やっと幸せのシャッターチャンスがやってきたのに、このときの写真はナシ。
後で知ったが、私のために寿司やら食べ物を買いに行ってくれていたらしい。
いや、ありがたいけど、絶好のチャンスを逃してしまった我が夫。
相変わらずついてないなぁ。